【読書レビュー】著書『ケーキの切れない非行少年たち』

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ハマタイ
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Software Enginnerとしてオーストラリア移住を目指している

ハマタイ(@hamatai_7109)が記事を書いてます!

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以下、簡単なプロフィールです。

  • Software Engineerとしてオーストラリア移住が目標
  • 福岡在住のフロントエンドエンジニア
  • 副業でWeb制作と某プログラミングスクール講師
  • 前職は教育業界のコンサルタント
  • オーストラリアで1年間ワーホリ経験
  • アフリカ・ウガンダでサッカーチームを運営
  • 趣味はサッカー/キャンプ/サイクリング/旅行/日本酒
  • 毎月5冊以上は本を読みます(ジャンルは問わず)

『ケーキの切れない非行少年たち』の読書レビュー

著書『ケーキの切れない非行少年たち』の読書レビュー記事です。

総合評価 「人」と接する仕事をしている方はみんな読むべき。
項目 ハマタイの格付け コメント
お役立ち度 先生、リーダー、マネージャー、経営者におすすめ
文章表現 読みやすい。
コスパ よし。
ハマタイ度 始めて聞いた話で満足。

ケーキの切れない非行少年たち』とは

タイトル 『ケーキの切れない非行少年たち
著者情報 宮口幸治(みやぐちこうじ)

立命館大学産業社会学部教授。京都大学工学部を卒業し建設コンサルタント会社に勤務後、神戸大学医学部を卒業。児童精神科医として精神科病院や医療少年院に勤務、二〇一六年より現職。困っている子どもたちの支援を行う「コグトレ研究会」を主催。医学博士、臨床心理士。

刊行年 2019/07/12

あらすじ

児童精神科医である著者は、
多くの非行少年たちと出会う中で、
「反省以前の子ども」が沢山いるという事実に気づく。

少年院には、認知力が弱く、
「ケーキを等分に切る」ことすら出来ない非行少年が大勢いたが、
問題の根深さは普通の学校でも同じなのだ。

人口の十数%いるとされる「境界知能」の人々に焦点を当て、
困っている彼らを学校・社会生活で困らないように導く超実践的なメソッドを公開する。

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本を読んだ人の感想

こんな人におすすめ!

・子どもと直接関わる仕事に従事(先生、小児科医、塾講師など)
・人を管理する役職(リーダー、マネジャー、経営者など)
・教育業界に携わる、もしくは携わる予定のある方。

『ケーキの切れない非行少年たち』の書評・レビュー・まとめ

最近読んだ本のなかで、
こちら『ケーキの切れない非行少年たち』が非常に興味深かったので、
印象に残ったポイントをブログ記事に書き出していきたいと思います。

広義の意味で「教育」に携わっている。

あるいは携わる予定がある人間には必読の1冊です。

著者の経験談が一次情報となっていて説得力が高い。

著者の宮口先生は職員として「少年院」に勤務していました。
その経験談が一次情報となってこの本が書かれています。

窃盗、恐喝、暴行、傷害、強制わいせつ、放火、殺人まで、
ほぼ全ての犯罪・非行を行った少年を相手にしています。

そんな著者が書く本だということで、非常に説得力の高い内容となっています。

最も印象に残った3点

じゃあ何が印象的だったかというと、次の三点です。

①世の中から気づかれていない「知的障害者」

②義務教育に「社会面」の教育が足りていない

③「適切な自己評価」と「自己評価の向上」

実際に読んでもらえるとより理解できると思いますが、僕なりにポイントをまとめます。

①世の中から気づかれていない「知的障害者」

少年院の子どもたちは次のような課題を抱えています。

・認知機能の弱さ
・感情統制の弱さ
・融通の効かなさ
・不適切な自己評価
・対人スキルの乏しさ
・身体的不器用さ

見る力、聞く力、想像する力が弱いということです。 するとどうなるか。

「反省する」ということができません。

「反省しろ」と言っても、
反省をする認知機能がそもそも備わっていないので何の解決にもならず、
また同じ過ちを繰り返してしまいます。

したがって、

こういった子どもたちには「反省」ではなく、
認知能力を高めて自分自身で気づかせるようにしないといけません。

ここで僕の余談ですが。

この問題は少年少女だけでなく「大人」にもあります。

つまるところ、
認知機能が低いまま年齢だけを積み重ね社会にでて、
周りとの(社会との)共同生活に馴染めず「不適合」の烙印を押される。

そういった大人たちも沢山いるはずです。

ではなぜこうなるのか。

1つの答えは、「知的障害」と規定される基準が昔と比べて高まったことです。

皆さんは自分の”IQ”をご存知ですか。

現在はIQ70未満だと知的障害だと認定されます。
しかし、昔は「IQ85未満」が基準だったそうです。
つまり、現代ではその間の「IQ70以上85未満」の方は「健常者」として扱われることになります。

この中間層が「気づかれない知的障害者」で、
35名のクラスのうち約5名が該当すると言われるそうです。

この人々は他社からの支援が必要であるにも関わらず、
世の中では「健常者」として扱われています。

それが悪いとかの話ではなく、
まずは彼らの存在を認知することが大事だと僕は思います。

②義務教育に「社会面」の教育が足りていない

こういった課題に対して果たして学校教育の現場では対処できているのでしょうか
答えは否です。
ほとんどの時間を5教科の座学に費やしていて、
いわゆる「社会性」を身につける時間は本当に少ないです。
日本の学校で育った経験がある方は理解できるはず。
「社会面への教育」とは具体的に以下のようなものが挙げられます。
・対人スキル
・感情コントロール
・問題解決力
既述の通り、認知能力の低い子どもたちは、社会面での能力も相関して低いそうです。
しかし、社会の中では「知的に問題はない」とされる。
非常に生きにくい世の中です。
「知的に問題がない」とされた場合、
もし何か問題を起こしたりミスをしてしまった時、
「怠けているだけだろ、反省しろ」
「性格の問題だから、仕方ないか」
「親の育て方は悪いんじゃないか」
などのように、より厳しい指導や親の責任へと転化します。
これは子どもや親のうつ病に直結します。
では、今後学校教育の現場や、
親の家庭教育においてどういったことをしていけばいいのか。
結論からいうと、
「適切な自己評価」と「自己評価の向上」を中心に対策を打っていくべきだと考えます。
人間が「変わる」タイミングは、
得てして他者からの要求ではなく、自分自身の気づきからであると。

③「適切な自己評価」と「自己評価の向上」

少年院での子どもたちは「自分」という存在を客観的に認知することが苦手です。
就活をする学生でも「自己分析」が苦手だとよく聞きます。
自分のことを直接は見れません。
認知能力の低い子どもたちは、自分のことを過大に、
そして過小に評価してしまいます。
「適切な自己評価」とは、”自分はどんな人間であるか”を理解することです。
殺人を犯した子どもでも、
「自分は優しい」と表現するほど、認知が歪んでいる場合があります。
そんな子どもに「反省しろ」と言っても、
「何を反省するの?」と議論は堂々巡りです。
ではどうすれば正しく自分を評価できるのか。
著書の中では、
「集団生活での関係性」によって適切な自己評価への道が開かれると書かれています。
その中でも特に、「人の役に立つ」という体験が有効だと。
人に何かを教える。
人から頼りにされる。
人から認められる。
そんな経験が適切な自己評価、そして自己評価の向上に繋がる。

おまけ

最後に印象的だった言葉を1つ。
「子どもの心に扉があるとしたら、その取手は内側にしかついていない。」
大人があれこれ注意しても響かない一方で、
子どもが自分の体験を通して気づいたことに対してはすぐに行動も適応させる。
いかに答えを言わずに「気づかせるか」が大事だと感じました。
あともう1つ。
「褒める教育は問題の先送り」
僕はかつて教育業界にいて、
そこでは「とにかく褒めましょう」という方針がありました。
そんなにすごいことでもないが、とにかく褒める。
失敗しても「できていること」に目を向けて褒める。
でも、これは「できていないこと」から目を背けているだけ。
本書を読んで、自分の子どもと接するスタンスについて改善できる箇所が沢山見つかりました。

まとめ

以上、『ケーキの切れない非行少年たち』のレビューでした。

自分自身、5年以上教育業界に携わったので、
「あの子はもしや、、」と思い返すと心当たりのある子どもが何人もいます。

自分の対応が不適切だったなと、この本を読んで「反省」しました。

教育業界に携わる方、
「人」と直接関わるリーダーやマネージャー。

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